コーヒーの生産地はどこ?国ごとのコーヒーの特徴を解説
普段よく飲んでいるコーヒーですが、「どこの国で栽培されているのか分からない」「国は知っているが、豆を見たところで何が違うのか分からない」と思ったことはありませんか。
コーヒーはコーヒーベルトと呼ばれる地域で栽培されていて、味は国や地域ごとに変わります。
この記事では、コーヒーがどこで生産されているのか、味の特徴はどう変わるのかについて解説していきます。
特徴を知ることで、普段飲むコーヒーをより一層楽しむことができますよ。
目次
コーヒーの生産地はどこにある?コーヒーベルトとは?
コーヒーは主にどこで生産されているのでしょうか。基本的にはコーヒーベルトと呼ばれる地域で生産されています。
コーヒーベルトとは、北緯25度から南緯25度にあたる場所を指します。
コーヒー豆が採れるコーヒーノキは、寒さに弱い植物なので年平均20度の温暖な環境という限られた環境でのみ成長します。
そして、コーヒーノキがコーヒーの実をつけるには約3〜5年ほどかかります。そのため、他の植物で行われているような短期間で栽培して収穫するようなこともできません。
ここからはコーヒーベルトについて、そしてコーヒーの生産地に適している気候や場所について紹介します。
コーヒーの生産地のコーヒーベルトとは
コーヒーの生産地としてよく見かけるコーヒーベルトとは、どこを指しているのでしょうか。
コーヒーベルトとは、北緯25度から南緯25度にあたる温暖な場所を指します。(上の図では、北緯の範囲が少し広くなってしまっています。)
コーヒーの生産地として適している場所が帯状になっているため、そこをつなぎ合わせてコーヒーベルトと呼ばれています。
コーヒーの生産地に適している気候や場所とは
コーヒーの生産地の気候の特徴としては、何があるのでしょうか。
コーヒーの生産地の特徴は、下記の4つです。
- 山の上のような土地で寒暖差が存在していること
- 土壌の環境がいいこと
- 雨量がある程度あること
- 温暖であること
土壌の環境や雨量は植物の成長にとって必要なものですが、コーヒーの味わいをよりおいしくするのは寒暖差です。
年平均20度の温暖な気候の中でも、高地で寒暖差があることが重要です。寒暖差によって、コーヒーの実は自身が凍らないようにするために種子内に糖を蓄えます。糖を蓄えることで、コーヒーの甘さがより引き立つコーヒーの実になります。
では、次からは各生産地のコーヒーの特徴をみていきましょう。
アフリカ|生産地域と国の特徴
アフリカ産のコーヒー豆について、特徴や国ごとにどのような味を楽しめるかを書いていきます。
アフリカ産のコーヒーで一番特徴的なのは、フルーティな酸味です。他の地域よりもコーヒーの果実の甘さや、フルーツのようなさっぱりとしたフレッシュ感のある味が楽しめます。
「苦味のあるコーヒーよりはもっと気楽に飲みたいなぁ」と思ったときには、さっぱりとしたアフリカ産のコーヒーを頼んでみましょう。
エチオピア
エチオピアは、コーヒーが初めて飲まれたといわれている国です。コーヒーの実を食べているヤギが興奮している様子を見て、ヤギ飼いが発見したという説があります。
エチオピアのコーヒーの特徴は、香りとすっきりとした甘さです。生産方法としてナチュラル製法のものが多く、コーヒーの実の甘さを感じやすいコーヒーが豊富です。
ナチュラル製法とは、コーヒーの果実をそのまま乾燥させる方法です。ウォッシュド(ウォッシュト)と呼ばれる製法もあり、こちらは果実の皮を向いて実を水洗いした上で乾燥させます。
エチオピアで生産されているコーヒーでよく聞くものは「モカ」です。モカという地域はありませんが、エチオピアやイエメン産のコーヒーのことを、モカと呼んでいます。
下記記事で「モカ」について紹介していますので、気になる人は読んでみてください。
また、エチオピアのコーヒーを飲んでみたい人は、下記がおすすめですよ。
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ケニア
ケニアはエチオピアの南に位置する国で、コーヒーの品質が高いことで有名です。ケニアには世界初のコーヒー研究機関があり、品質を高めるさまざまな工夫が行われています。
ケニアのコーヒーの特徴は、キレのあるさっぱりとした風味です。
実際に飲んでみても心地よい酸味を楽しむことができるので、酸味が好きな人にはとくにおすすめです。
ケニアのほどよい酸味があるコーヒーを楽しみたい人には、下記のコーヒーがおすすめです。見てみてくださいね。
横砂園 ケニアAA |
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タンザニア
タンザニアのコーヒーとして有名なのは「キリマンジャロ」です。タンザニアという国名は知らなくても、キリマンジャロという名前は知っているという人も多いのではないでしょうか。
キリマンジャロという名前は、タンザニアにある山のキリマンジャロ山からつけられた名前です。よって、タンザニアのコーヒーのすべてがキリマンジャロというわけではありません。
タンザニアのコーヒーの特徴は、すっきりとした強い酸味です。ケニアのコーヒーと同じように香りの高さとキレのある酸味が特徴的です。
中南米|生産地域と国の特徴
中南米産のコーヒー豆について、特徴や国ごとにどのような味を楽しめるかを紹介します。
中南米産のコーヒーの特徴は、一番コーヒーらしいコーヒーだという点です。
とくにブラジルは世界生産量が1位であり、日本でもインスタントコーヒーや普段気軽に飲んでいるコーヒーに使われています。そのため、コーヒーらしい苦味やコクがしっかりと感じられる点が特徴です。
中米の地域では、山岳地帯が多く寒暖差も大きいため南米のコーヒーよりも味と香りがより感じられるコーヒーになっています。
グアテマラ
グアテマラは中米にある、国土が日本の約3分の1ほどの国です。生産地として有名な場所に、アンティグア・ウエウエテナンゴがあります。
グアテマラのコーヒーの特徴は、果物のような酸味と花のような香りです。地域によって香りは少し異なりますが。全体的にアフリカのコーヒーと比較すると、飲みやすい甘さのある味わいを楽しむことができます。
ブラジル
ブラジルは、コーヒーの生産量・輸出量が世界1位のコーヒー大国です。消費量もアメリカに続き2位であるため、コーヒーの文化が広がっている国です。
ブラジルの生産地として有名なのは、ミナス・ジェライス州が有名で近年生産量がブラジルの中で最大になりました。
ブラジルのコーヒーの特徴は、クセがなく飲みやすいことです。酸味もあまりないためバランスのいいコーヒーの味を楽しむことができます。
ブラジルのコーヒーは下記がおすすめです。普段飲んでいるコーヒーと比較しながら、飲んでみてくださいね。
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コロンビア
コロンビアは世界で3番目に生産量の多い国です。しかし、ブラジルとは異なり大規模農園は少なく、さまざまな地域でコーヒーが生産されています。
コロンビアのコーヒーは、豊かなコクと香りが特徴です。コロンビアは小規模の農園でも個別にコーヒー豆を栽培しており、農園ごとに異なる特徴を持っています。
アジア|生産地域と国の特徴
アジア産のコーヒー豆について、特徴や国ごとの味の違いを紹介します。
アジア産のコーヒー豆の特徴は、コクがかなり強く、苦味と酸味のキレがあることです。アジアのコーヒーの特徴は、「大地のような味わい」「ハーブのような味わい」と例えられることが多いです。
飲んだときのイメージとしては、コクと苦味がしっかりあるコーヒーと言えます。
中南米のバランスのよい味わいよりも一風変わった味わいを楽しみたい人は、アジア産のコーヒーを楽しんで見るのもよいですね。
ベトナム
ベトナムのコーヒーといえば、ロブスタ種といわれるコーヒーの品種が有名です。ロブスタ種のコーヒーは低地の栽培が可能な品種で、病気にもなりにくいです。
ベトナムのコーヒーの特徴は、苦味が強く出ることです。これはロブスタ種そのものの特徴でもあるのです。
ベトナムでは、ベトナムコーヒーと言われる甘いデザートのような味わいのコーヒーがよく飲まれています。ベトナム独自のフィルターを用いて、ロブスタ種のコーヒーにミルクやコンデンスミルクを入れて作ります。
自宅で作る場合は濃いコーヒーを淹れて、その中にコンデンスミルクを入れると似たような味わいを楽しむことができますよ。
インドネシア
インドネシアはアジアでも生産量が多く、マンデリンやトラジャなどの有名なコーヒーが多く昔から親しまれてきました。
インドネシアのコーヒーの特徴は、口に含んだときにガツンとくる力強い味わいとスパイシーな味わいです。
インドネシアは地域によっても味わいが変わってくるので、見かけたときは飲んでみると面白いかもしれません。
インドネシアの力強い味わいのコーヒーを楽しみたい人には、下記のコーヒーがおすすめです。
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コーヒーの生産されている量のランキング
コーヒーの世界生産量と、日本に輸入されるコーヒー生産地の輸入量のランキングを並べました。
コーヒーの生産地に関しては、コーヒーベルトに沿った国が多く、世界1位の生産量を誇る国はブラジルです。
また、輸入国についてもブラジルが1位で、日本で親しまれていることが分かります。そして、5位までは生産国と同じ国が並んでいました。
どのような国がランクインしているのか、詳細を確認しましょう。
コーヒーの生産量ランキング
世界全体で見たときのコーヒーの生産量は、以下のようになっています。
- ブラジル
- ベトナム
- コロンビア
- インドネシア
- エチオピア
- ホンジュラス
- インド
生産量1位はブラジルでした。ブラジルのコーヒー豆の生産量は、世界で生産されている約3分の1を占めます。
ホンジュラスあまり大きくない国ですが、生産量は6位です。国土の60%以上が山岳地帯であり、コーヒーの栽培が盛んに行われています。
インドはコーヒーの生産国としてはあまり馴染みがありませんが、生産量7位の国です。日本への輸入量は少ないようで輸入量のランキングでは記載がありませんでした。もし、コーヒー屋さんで見かけたら飲んでみるのもいいかもしれませんね。
日本に来ているコーヒーの輸入量ランキング
日本に輸入されているコーヒーは、どこの国のものが多いのでしょうか。
- ブラジル
- ベトナム
- コロンビア
- インドネシア
- エチオピア
- グアテマラ
- タンザニア
基本的に両者にはあまり変わりはありませんが、生産量に比べて日本での輸入量が多いグアテマラ・タンザニアについて下記のとおり調べてみました。
グアテマラのコーヒーの輸入量がとくに多い明確な理由は分かりませんでしたが、日本人の好みの味という理由ではないかと言われています。僕自身も好きなコーヒー生産地に絶対ランクインします。
タンザニアのコーヒーに関しては、ヘミングウェイ作の映画「キリマンジャロの雪」が流行ったことでキリマンジャロコーヒーが日本で人気になったことが一番の理由と言われています。
日本でコーヒーは生産されているのか
世界のことを書いてきましたが、日本でコーヒーは生産されているのでしょうか。
実際に日本でもコーヒー豆の生産がされています。コーヒーベルトと言われる北緯25度から南緯25度までの範囲には沖縄県も含まれており、環境としては栽培が可能です。
ほかにも、東京都でも小笠原諸島ではコーヒーの生産が行われています。
しかしながら、標高が低いことや台風の影響をかなり受けてしまうことから生産量はあまり増えていません。
希少なものではありますが、取り扱いがあるお店を見つけた際にはぜひとも飲んでみたいですね。
生産地ごとに飲み比べてコーヒーを楽しもう
いかがだったでしょうか。コーヒーも生産地によって味や風味も変わってくるので、気になる国があればコーヒー屋に行き頼んでみても面白いかもしれません。
まずは、アフリカ・中南米・アジアの違いを意識するだけでも普段飲んでいるコーヒーの味をより感じることができます。
いろいろな産地のコーヒーを試したい人は、当ブログ運営者・今野直倫のコーヒーショップにてアソートパックを提供していますので、ぜひどうぞ。コロンビア、エチオピア、グアテマラ、ケニア、コスタリカのコーヒーを楽しめますよ。
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いろいろな産地のコーヒーを飲み比べてみると、あなたのお気に入りが見つかりますよ。