コーヒーカップで味は変わる!色・形・材質によるコーヒーの味の違い
毎日のようにコーヒーを飲んでいると、同じようなコーヒーカップを使って飲むことが多いですよね。「とくに味も変わらないし」と思っている人も多いのではないでしょうか。
じつは、コーヒーカップを変えることでコーヒーの味わいが変化するのです。
この記事では、コーヒーカップの形、材質、色によって味がどのように変化するのかを紹介していきます。また、香りを楽しむためのカップも併せて見ていきます。
この記事を読むことで、コーヒーカップによる味の変化を知り、より自分好みのコーヒーを楽しむことができるようになりますよ。
目次
コーヒーカップの形状による味の違い
コーヒーカップの形状によって、どのように味が変わるのでしょうか。コーヒーカップにもさまざまな形がありますが、以下の2つのポイントで味が変わります。
- 縁の部分の厚さ
- 縁の広がり
縁の薄い、厚い、広がりについてそれぞれどんな味のコーヒーを飲みたいときに使うとよいのか、紹介します。あなたの好きなコーヒーは、どれで飲むとよりおいしく感じられるのかチェックしてみてください。
縁が薄いカップ:酸味系
縁が薄いカップは口にスムーズにコーヒーが運ばれるため、あっさりと飲むことができます。また、口に触れる範囲が少ないので、苦味を感じにくく酸味のほうが強調されます。
そのため、酸味を楽しみたい人におすすめです。
ほかにも、浅煎りコーヒーのフルーティーさも感じやすくなるので、エチオピア産のコーヒーなどを楽しむときにも、縁が薄いカップを試してみてくださいね。
縁が厚いカップ:苦味系
縁が厚いカップは、苦味のあるコーヒーを飲むのに適しています。縁の部分にしっかりと口が当たるため、コーヒーの味をはっきりと感じやすいからです。ですので、苦味を楽しみたい人におすすめ。
こちらは、深入りでコクがあるタンザニア産やケニア産の豆を飲むときに使うと、よりおいしくいただけます。
縁が広がっているカップ:酸味系
縁が広がっているカップは、酸味のあるコーヒーを飲むのに向いています。
縁が広がっている分、舌の広い範囲にコーヒーが広がるため、一般的には酸味が感じやすいとされています。
縁がまっすぐのカップ:苦味系
縁がまっすぐのカップは、苦味のあるコーヒーを飲むのに向いています。
縁が広がっていないカップで飲むと、苦味を感じやすいと言われています。実際に、エスプレッソのような苦みを楽しむコーヒーは、縁がまっすぐのカップで飲むことが多いですね。
コーヒーカップの材質による違い
あなたが普段コーヒーを飲むときに使っているカップの材質は、何でしょうか。じつは、材質によってもコーヒーの味は変わるのです。
材質が変わると、味にどんな変化が起きるのかを解説していきます。コーヒーカップの材質によって味がまろやかになったり、冷めにくく味が長続きしやすいものがもありますよ。
反対に、味がマイナスに変化してしまう材質も併せて見ていきましょう。もし「このコーヒーはいまいちだな」と感じていたら、材質が原因かもしれません。確認してみてくださいね。
陶器:味をまろやかにしたい
陶器のマグカップは、味をまろやかにしたいときにおすすめです。
理由としては、陶器のマグカップは比較的厚めに作られており、凹凸のあるデザインが多いからです。そのため、香りが直接的に伝わってこず、全体的に味わいがマイルドなコーヒーに仕上がります。
銅:冷めにくい
銅のマグカップの最大のメリットとしては、熱伝導性が高くコーヒーが冷めにくい点にあります。
作業をするために一度に大量のコーヒーを作るときは、銅のカップを使ってみましょう。ホットコーヒーは冷めにくく、アイスコーヒーはぬるくなりにくいので、おすすめです。
銅のマグカップでアイスコーヒーを飲んだときは、30分を過ぎても氷も残った状態でコーヒーを楽しむことができました。
木・紙:口当たりをよくしたい
木や紙などのカップは、口当たりがよく、すっきり飲みたい人におすすめです。
見た目の印象からも分かるとおり、全体的にまろやかな味わいで、落ち着いて飲みたいときに試してみてほしいカップです。
しかし、紙の味がコーヒーに移ってしまうというデメリットがあります。ですので、味が気になる人は、あまり使わないほうがよいです。
個人的には、自宅でコーヒーを楽しむときは紙のカップはあまり使わないようにしています。ですが、外出中にホットコーヒーを飲むときは、一番持ち運びやすく重宝しています。ときと場合によって使い分けるのもよいですね。
プラスチック:味の変化は?
基本的には安く使いやすいのが特徴です。味わいとしては、アイスコーヒーで飲む分にはまったく問題ありません。
しかし、ホットコーヒーを注ぐときは、プラスチック独特の香りが出てしまうことがあるので、あまり使わないほうがよいです。
コンビニコーヒーでもアイスコーヒーのカップとしては、プラスチック製のものがよく使われています。プラスチックカップは軽くて扱いやすく、アイスコーヒーを持ち運ぶのにはぴったりだからでしょう。
コーヒーカップの色による味の違い
コーヒーカップの色によって、コーヒーの味わいが変わるのかを解説していきます。
英国の論文「Does the colour of the mug influence the taste of the coffee?(マグカップの色はコーヒーの味に影響するか?)」によると、コーヒーの色とカップの色の組み合わせによって、感じる味わいが変わってきているのではないかと考えられています(注1)。
本論文を参考に、今回は「こんな味を楽しみたいときは、この色がおすすめです」という形で紹介していきます。概要は、以下のとおりです。
- 甘みを楽しみたいとき:青・透明
- 苦味を楽しみたいとき:白・茶
- 酸味を楽しみたいとき:黄
下記項目で、それぞれ詳しく説明します。
甘みを楽しみたいとき:青・透明
甘みを楽しみたいときは、青や透明のカップがおすすめです。
コーヒーの色である茶色と、青や透明を組み合わせると、あまりコーヒーの色が強調されないので、比較的甘く感じます。
苦味を楽しみたいとき:白・茶
英国の論文には、「In particular, the coffee was rated as less sweet in the white mug as compared to the transparent and blue mugs.(とくに、白いマグカップは、透明な青いマグカップと比べて、コーヒーの甘さが少ない(=苦味が強調されやすい)と評価されました。)」と記されています(注1)。
以上を参考に考えると、苦味を楽しみたいときは白や茶がおすすめです。
白や茶色のカップだと、コーヒーの色が強調される色合いになります。そのため、コーヒーのイメージである苦味という部分が強調されるようです。
酸味を楽しみたいとき:黄
酸味を楽しみたいときは、黄色がおすすめです。論文によるとコーヒーの味わいについて、黄色は全体的に薄くなるという結果が出ています(注1)。
また、黄色のイメージである酸味という特徴をあわせると、全体的に濃い味になりにくく、酸味が目立つようになります。
香りを楽しみたいときのコーヒーカップ
コーヒーの香りを楽しみたいという人は、状況によってカップを使い分けましょう。
コーヒーの香りをしっかりと楽しみたいという人は、縁がまっすぐなカップ・狭まっているカップを使うのがおすすめです。縁が広がっていないと香りがカップの中にとどまり、コーヒーを飲むときに香りをしっかりと楽しめます。
そして、コーヒーの香りをゆっくりと部屋に広げて空間全体をコーヒーの香りで包みたいという場合は、縁の広がっているカップがおすすめです。コーヒーの香りに包まれながら、ゆったりとした時間を楽しめます。
コーヒーカップの違いを知って理想のコーヒーを楽しもう
コーヒーカップを変えてみるだけでも、コーヒーの味わいに変化を与えることができます。紹介した内容を簡単にまとめておきます。
コーヒーカップの厚さ | 薄い | 酸味を楽しみたいとき |
厚い | 苦味を楽しみたいとき | |
縁の広がり | 広がっている | 酸味を楽しみたいとき |
まっすぐになっている | 苦味を楽しみたいとき | |
材質 | 陶器 | まろやかな味 |
銅 | 冷めにくい | |
木・紙 | 口当たりがよい | |
プラスチック | アイスコーヒーにおすすめ(デメリット:ホットコーヒーは材質の香りが出ることもある) | |
色 | 青・透明 | 甘みを楽しみたいとき |
白・茶色 | 苦味を楽しみたいとき | |
黄色 | 酸味を楽しみたいとき | |
香り | 縁がまっすぐ | コーヒーの香りをしっかり楽しめる |
縁が広い | 空間全体にコーヒーの香りが広がる |
コーヒーの淹れ方やコーヒー豆の種類も、もちろん味に影響します。しかし、たまには違う部分を変えてみて、普段のコーヒーをより一層楽しんでみましょう。
出典:注1 Does the colour of the mug influence the taste of the coffee?|BMC