カフェ開業の費用はどれくらいかかる?費用を最低限に抑える方法は?
カフェを開業したいと思ったときに、1番に気になるのが費用がいくらかかるのかという点ではないでしょうか。
カフェを開業する際に必要となる費用は、カフェの規模や営業形態にもよりますが、平均して600万円〜900万円程度が相場です。
この記事ではカフェ開業費用の種類と相場や、費用を安く抑えるための方法について解説します。
この記事を読むことで、カフェ開業にはどのような費用が必要で、相場はいくらなのかがわかります。
また、費用を最低限に抑えるための方法や費用の調達方法、補助金や助成金などについても知ることができますよ。
カフェ開業に必要な費用を紹介
結論から言うと、開業にかかる費用は600~900万円くらい。
レストランや居酒屋を開業するより費用は少なく済みますが、それでも1千万円弱の資金が必要です。
必要な資金に幅があるのは、物件にかかる費用や厨房などの設備費が違うからです。
選ぶ立地や設備を工夫することで、コストを下げられる部分でもあります。
では、カフェ開業にかかる費用にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 物件取得費
- 内装工事費
- 設計費
- 厨房機器購入費
- 食器・備品購入費
- 広告宣伝費
- 仕入れ費用
- 運転資金
大きく8つの費用項目があります。1つずつ見ていきましょう。
①物件取得費(150万~300万円)
物件取得費は開業する立地などによって変りますが、150万~300万円ほどの予算を確保しましょう。
物件取得費とは、店舗を契約する際に必要となる資金のことです。
物件取得費のなかには、家賃以外にも必要な費用があります。
保証金 | 家賃の10か月分程度 |
礼金 | 家賃の1か月程度 |
仲介手数料 | 家賃の1か月程度 |
契約後の工事期間の家賃 | 最低1か月 |
営業開始月の事前払い | 1か月 |
更新手数料 | 物件により異なる |
物件を決めるだけで、家賃のほかに賃料の14か月分が必要となります。
②内装工事費(270万円)
内装にかかる費用は、小規模~中規模のカフェで40万円/坪が多いです。
内装工事の内訳は、おおよそ以下の4項目に分かれます。
- 設計費
- 材料費
- 家具
- インテリア
家具やインテリアは1点にかかる費用は小さくても、全体をとおして見ると大きな金額になります。
こだわりと予算を吟味して決めることが大切です。
③設計費(25万円)
設計にかかる費用は約25万円。
お店のコンセプトや、内装のこだわり具合で変わってきます。
また外観や内装だけでなく、防火設備などの対策も必要になります。
法令に関することは、設計事務所に問い合わせるとよいでしょう。
④厨房機器購入費(50万~200万円)
厨房機器の購入にかかる費用は、約50万~200万円。
厨房機器にかかる費用の目安は以下のとおりです。
- 小規模店舗(10坪程度):120万
- 中規模店舗’16~17坪:200万
費用の幅は、扱うメニューによっても増減します。
たとえば窯でパンを焼くのか、エスプレッソマシンを導入するのかなどです。
食器洗浄機といった高額の設備を入れる場合は、物件を選ぶときに考慮したい項目です。
⑤食器・備品購入費(100万~200万円)
食器や備品の購入にかかる費用は、100万~200万円。
お店の規模や内装へのこだわりで上下します。
テーブルやイスなどの備品は、お店の広さによってある程度決まってきます。
10坪ほどのお店にテーブルを4つ置いて約30万円ほどです。
一方、食器はこだわりだすと費用がかさみます。
とくにカフェで大切になるカップ類は、予算とこだわりのバランス感覚が大切になります。
⑥広告宣伝費(20万円)
お店を目立たせる看板の制作費は、20万円ほど。
お店を知ってもらうチラシやDMなど、紙媒体は費用の幅が広いです。
費用対効果を考えながら導入しましょう。
また現代では、インターネットを利用した広告も効果があります。
インターネット(SNS)を上手く利用すると、既存の媒体よりも効果が上がる場合もあります。
開業したあとも発信することで、お客様との繋がりを持つことができるでしょう。
⑦仕入れ費用
カフェの仕入れ費用の中心は、コーヒー豆です。
コーヒーの原価率は10%が目安で、500円のコーヒーなら原価は50円になります。
原価率はコーヒーの種類や入手ルートで変ってきますが、原価率を下げようと粗悪な豆を仕入れてしまうと、コーヒーの味わいが落ちるので気をつけましょう。
⑧運転資金(100万~200万円)
経営が軌道に乗るまではどうしても収支がマイナスになるので、100万~200万円の予算を確保しておきましょう。
運転資金とは、主に開業当初の赤字を補填する費用のことです。
想定資金を確保することで、開業直後にお客さんが来なかったとしても経営に集中できます。
想定資金は多いほうがよいですが、青天井になるので目安も覚えておきましょう。
運転資金の目安は以下のとおりです。
- 想定売り上げの6~12か月分
- 家賃の10~18か月分
カフェ開業費用を最低限に抑える6つの方法
カフェの開業にかかるおおよその費用は分かりました。
けれど、できれば費用を抑えたいですよね。
そこで、カフェにかかる費用を安く抑える方法を解説します。
具体的には以下の6つの方法があります。
- 居抜き物件を利用する
- 中古品やリース契約を利用する
- フリートレント物件を利用する
- 賃料交渉を行う
- 工事を自分で行う
- SNSを活用する
もっとも効果的なのは、居抜き物件の活用です。
ほかにもいくつかポイントがあるので、1つずつ見ていきましょう。
①居抜き物件を利用する
居抜き物件とは、前の借主が使用していた設備を残している物件です。
設備がそのままなので、電気やガス、水道の工事が不要で、その分開業資金を抑えられます。
また業務用冷蔵庫や製氷機、食器洗い機など、高額な厨房機器のコストをカットできます。
イスやテーブルなどの設備もこだわらなければ、そのまま使用してもよいでしょう。
②中古品やリース契約を利用する
開業費用を抑えるためには、中古品やリースの利用も効果的です。
居抜き物件を確保できない場合は、厨房設備で資金が必要になります。
そこで厨房設備を購入する際は、中古市場の利用を検討しましょう。
中古品市場では厨房設備が多く販売され、価格も新品の半額程度で済みます。
しかし質のよい品は人気が高く、すぐに売れてしまいます。中古品を考えている人は、こまめにチェックしましょう。
また、リース契約は月の支払いを数万円に抑えながら、総額100万~300万かかる設備を貸与してもらえます。
月の経費は増えますが、費用がかさんでしまう開業時にはとても助かるサービスです。
③フリートレント物件を利用する
フリートレント物件とは、契約後の一定の期間、家賃が無料になる物件のことです。
フリートレント物件を利用できれば、用意する運転資金を大きくカットでき、その分を開業資金に充てられます。
物件数は多くありませんが、条件が合えば利用したいシステムです。
④賃料交渉を行う
運転資金を節約するために、大家さんと賃料の交渉をする方法もあります。
交渉をする場合は、お店のセールスポイントや、地域への貢献をアピールすると効果的です。
同時に事業計画を示しつつ、健全な事業を展開できることを提示します。
また、大家さんへの配慮を忘れてはいけません。
大家さんへ十分に配慮し、こちらの都合ばかりを言わないように注意しましょう。
⑤工事を自分で行う
日曜大工(DIY)が得意なら、自分で工事の一部をおこなえば開業費用を抑えられます。
電気やガス、水道工事などは専門業者に依頼して、内装などは自分でおこないましょう。
自分で手をかけたお店は、愛着もひとしおです。
しかし自分で工事をすることにこだわり工期が遅れてしまうと、運転資金への影響が出てきます。
あくまで、できる範囲で行うのがポイントです。
⑥SNSを活用する
開業前には、お店の存在をアピールする必要があります。
以前は新聞広告やDMなどが主な手段でしたが、いまはSNSを利用する人が増えています。
SNSであれば無料で利用でき、開業までのストーリーを載せることで、それを見た人がお店のファンになってくれることもあるでしょう。
当サイトcowriteの実店舗も金沢移転の様子をInstagramで配信しています。ぜひ参考にしてくださいね。
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資金ゼロからカフェ開業費用を調達する方法
カフェを開業するにあたって最大の難関が費用です。
一部でカフェの開業資金はゼロからはじめられるとの記述がありますが、全額借入になり、金利の面からも不利になります。
全額を自己調達する必要はありません。少ない自己資産でも開業は可能です。
資金の調達方法は以下のパターンがあります。
- 自己資金
- 金融機関からの借り入れ
- スモールM&A
- 助成金・補助金
難しそうですが、1つずつ見ていけば大丈夫です。
一緒に勉強していきましょう。
自己資金と金融機関からの借り入れ
資金調達を考えたとき、はじめに思い浮かぶのは金融機関からの借り入れではないでしょうか。
借り入れには一定の自己資金が必要で、通常は借入金額の1/5~1/2です(個人によって変わります)。
またカフェでの職業経験有無によっても、借り入れ可能額が変ります。
100万円の自己資金で1千万円借り入れられた例もあるので、まずは金融機関に相談してみましょう。
スモールM&A
M&Aは一言でいうと事業売買のこと。スモールM&Aとは小さな規模の事業売買です。
たとえば、閉店しようとしているカフェを300万円で譲りたいと申し出があれば、それだけの資金で開業資金を賄えます。
さらに、そのお店の経営ノウハウや、顧客まで譲り受けることも可能です。
スモールM&Aに興味がある人は、専門家に相談してみるとよいでしょう。
カフェの開業費用に使える助成金と補助金
カフェの開業資金を調達する上で大きな助けになるのが、助成金と補助金です。
助成金と補助金を上手に活用すれば、自己資金や借入金を抑えて開業できます。
けれど助成金と補助金の違いは、少し分かりにくいですよね。
助成金と補助金の違いを下記へまとめたので、上手に活用してください。
自分が助成金や補助金を受け取れるか分からないという人は、自治体へ相談しましょう。
助成金 | 補助金 | |
主な対象 | 雇用 | 経営資金/開業支援 |
担当する省庁 | 厚生労働省 | 経済産業省/県や市町村などの自治体 |
財源 | 雇用保険 | 税金 |
支給条件 | 一定の条件を満たしている人全員 | 審査に通った人 |
募集の制限 | なし | あり |
申請時期 | 年間を通じて申請できる | 補助金ごとに指定 |
募集の頻度 | 随時 | 年に1~2回ほど |
申請期間(締切) | 半年~通年 | 約1ヵ月 |
返済義務 | なし | なし |
カフェ開業費用について理解したうえで開業を考えよう
カフェを開業するために必要となる費用は、カフェの規模や営業形態などによって違ってきますが、平均して600万円〜900万円かかります。
費用の内訳は主に8種類あり、それぞれの費用の相場がどれくらいなのか、そしてそれらの費用を最低限に抑えるための6つの方法について解説しました。
また、自己資金ゼロからカフェを開業するための費用を調達する方法や、カフェ開業費用の一部として使うことができる「助成金」と「補助金」の違い、受けるための条件や手続きについても解説しました。
これからあなたがカフェ開業の夢を実現させるために、本記事にて解説した内容をお役に立ててもらえれば幸いです。
下記の記事では当サイトの運営者が、カフェ開業前にフリマでコーヒーを提供したときの記録を書いています。きっとカフェ開業の参考になりますよ。
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妻の「おいしいね」が聞きたくて。きっかけは結婚式の引き出物。そこで頂いたドリップバッグの香りに魅せられてコーヒーの道へ。お小遣いの範囲で楽しめるのがコーヒー、少しずつ道具を揃えて毎朝妻と私の分をドリップしています。寝ぼけ眼で「いい匂い、今日もおいしいね」コーヒーの香りと一緒に幸せが広がります。妻のおいしいねが聞きたくて、今日も豆を挽いています。