【みんなで作る、珈琲屋vol.7】「コーヒーで救われた自分、コーヒーを盛り上げるために自分ができること」珈琲屋わたるさん
「震災経験後、コーヒーに救われました。そんなコーヒーを盛り上げていきたい」
こう語るのは、愛媛県で自家焙煎をおこなっている「珈琲屋わたる」の横山さんです。パン屋さんの一部を間借りして、スタートした珈琲屋への道。「珈琲屋わたる」独立から今後の展望まで、お話を伺いました。震災後、心を癒してくれたコーヒー。今伝えたい想いに耳を傾けてみましょう。
取材の様子はこちら!
略歴
1991年愛媛県生まれ 愛媛県育ち
2011年 関東の大学に在学
東日本大震災後、体調を崩し(パニック障害等)愛媛に戻る
療養中たまたま飲んだコーヒーをきっかけにコーヒーに魅了され、自分でコーヒーを淹れるようになる
2016年 地元のコーヒー店で焙煎等を学びはじめる
2017年 「珈琲屋わたる」としてイベント出店、コーヒー豆の販売を始める
2018年 手廻し焙煎機導入
2019年 パン屋さん内で間借り営業開始
2021年 現焙煎機フジローヤルR101を導入
2021年11月 「珈琲屋わたる」店舗営業開始
目次
東日本大震災を経験しコーヒーの道へ
北野:まず、自己紹介をお願いします
横山:愛媛県松山市でコーヒースタンドとコーヒーロースターをやっている「珈琲屋わたる」店主の横山航といいます。
いまはコーヒースタンドとオンラインで自家焙煎のコーヒー豆を販売しています。
北野:ありがとうございます。今は専業でやってらっしゃるのでしょうか。
横山:はい、専業でしています。
東日本大震災後、療養中に出会ったコーヒー
北野:これまで、どういった経緯でコーヒー屋さんになったのかキャリアを含めて教えてください。
横山:僕は、いま31歳なんですけど、コーヒーに興味を持ったのが10年くらい前です。
当時は大学で関東のほうに行ってたのですが、東日本大震災があり、その頃にパニック障害になってしまい、愛媛に帰ることになりました。
そういう状態だったので、仕事をするとか、次になにかをやるというステップが見えなくて、どうしようかと思ってたところ、気分転換に家族でカフェに行くことがあって、そこで飲んだコーヒーがすごくおいしかったんです。
それまでは、コーヒーが苦手なぐらいだったんですけど、「あ~、おいしいコーヒーがあるんだな」と徐々に興味をもちました。
ロースターとの出会い
横山:自分で道具を調べたり、コーヒーの淹れ方を調べたりして、仕事ではないですが趣味みたいになっていたんです。
そんなとき5~6年前、僕の地元にちょうどコーヒーロースターをしているコーヒー屋さんができました。
そこで「コーヒーに興味あるんです」という話をしたら、「じゃあ焙煎とかやってみる?」というお誘いをいただいて手伝わせてもらうようになりました。
そのコーヒー屋さんで、コーヒーのことをいろいろ学んで、徐々にイベントへ出店するようになり今に至ります。
間借りから独立への道
北野:お店はオープンしてからどれくらいですか。
横山:今の場所では、まだ一年経っていないくらいです。
以前は近くにパン屋さんがありまして、間借りコーヒー豆屋として2年ぐらいやっていました。
北野:ちなみに間借りから、お店になったタイミングやきっかけはなんですか。
横山:別に喧嘩別れとかではないのですが間借りでは、いろいろ自分のやりたいことや、できることにどうしても限界があります。
焙煎自体は、間借りのときから今の場所でやっていました。
そこで「焙煎機があるなら、ついでに販売スペースも一緒に構えよう!」という感じになったんです。
店舗では自家製焙煎のコーヒーを提供
北野:お店では、実際にどういったものを提供されてるのか教えてください。
横山:基本的に提供しているのはコーヒーだけで自家焙煎のコーヒー豆が6種類ぐらい、豆のまま販売しています。
またホットコーヒーやアイスコーヒーなどのテイクアウトメニューやドリップバッグなども提供しています。
地元のお菓子屋さんの焼き菓子を販売
横山:あとは、僕が作った商品ではないですが、地元のお菓子屋さんからお菓子を仕入れて、焼き菓子やチョコレートなども提供しています。
北野:ありがとうございます。ちなみに駐車場はあるんでしょうか?
横山:一応、狭いスペースにはなりますが駐車場はあります。
今伝えたい想い、コーヒーを盛り上げるために
自身のお店「珈琲屋わたる」の存在を知ってほしい
北野:今はお店をやっていらっしゃいますが、今後の希望や夢はありますか。
横山:「すごい大きい店を持つぞ」みたいな、大きな目標はまだなくて。
店のある場所が、まだまだ松山の人にも全然知られていない状態なんです。
だから、もっとたくさんの人にまずは、お店の存在自体を知っていただきたいというのが目標ですね。
コーヒーに救われた自分
横山:僕は「note」にも書いているのですが、コーヒーに救われた部分が本当にすごく大きいんです。
多分、コーヒーがなかったり、働かせてもらったコーヒー屋さんがなかったりしたら、僕はいま、何をしていたか分かりません。
今後の展望はもっとコーヒーを盛り上げたい
横山:コーヒーを盛り上げるために、ちょっとでも自分ができることをしたいですね。
コーヒーが好きじゃなかった人がちょっとでも興味持ってくれたり、コーヒーが嫌いだったのが僕みたいに好きになってもらったりとか、いまコーヒーが好きな人には、もっともっと大好きになってほしいという思いがあります。
今言ったことは、すごく抽象的なことなので大きな目標になると思うんですけど、少しずつですけど広げていければなと思います。
北野:素敵ですね。ご自分でそういう風に救われたというところは説得力があります。
横山:ありがとうございます。
さいごに
横山:コーヒーが苦手な人には興味を持ってもらったり、意外とコーヒーって飲めるものなんだと思ってもらったりしたいです。
そして、コーヒーが好きな人にはもっともっと好きになってもらえるようなコーヒーを提供しつづけていきたいと思っています。
僕はいま、愛媛県の松山でロースターをやっていますが金沢に行くと、うちのコーヒーが飲めます。
また、他の素敵なロースターさんの豆もコライトさんが提供しているので、「コーヒー好きな人」も、「ちょっとコーヒーに興味がある」という人も、もちろん「コーヒーに興味がない人」も、ぜひ足を運んでいただけたらと思います。