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【コーヒーの酸味が苦手?】コーヒーの「酸味」は実は2種類!!良い「酸味」と悪い「酸味」の違い。

コーヒー好きの方

「コーヒーの酸味ってなんやろ?酸味が苦手とかっていうひともいるし、酸味が美味しいっていう人もいるし。コーヒーの酸味っていったい何者?」

こういった疑問に答えます。

☑︎本記事の内容


1.コーヒーの「酸味」とは?コーヒーの酸味は実は2種類

2.コーヒーの悪い「酸味」
2.1 悪い「酸味」は豆の劣化によって生じる
2.2 精製過程で生じる「酸味」

3.コーヒーの良い「酸味」
3.1 良い「酸味」は果実のフレーバー
3.2 「酸味」を表す表現方法

4.コーヒーの良い「酸味」楽しむには?
4.1 良い「酸味」を持つコーヒーの選び方
4.2 良い「酸味」を長く保つコーヒーの保存方法
4.3 良い「酸味」を引き出すコーヒーの淹れ方


出張バリスタをしている、こんろです。毎日お家でコーヒーを淹れつつ、各地で出張カフェを行っています。そんな僕が、経験と知識を基に、“コーヒーの「酸味」とは?コーヒーの酸味は実は2種類【出張バリスタが解説】”についてお話ししていきますね。

参考文献:

Amazon 珈琲完全バイブル

Amazon コーヒーの科学

Amazon 田口護の珈琲大全

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1.コーヒーの「酸味」とは?コーヒーの酸味は実は2種類

コーヒー

あなたは、コーヒーの「酸味」というと、もしかしたらネガティブな印象を持っているかもしれません。
もしくは、ネガティブな印象を持っている方が、身近にいるのではないでしょうか?

でも、一方で、コーヒーの「酸味」は美味しい、とポジティブなイメージを持っている方もいます。
これは、一見、個人の好みの問題のように思われるかもしれませんね。

もちろん、コーヒーの「酸味」が美味しい、不味いというのには、少なからず個人の好みも関係してきますが、それ以上に「酸味」の質が根本の原因としてあります。
コーヒーの「酸味」と一言でいっても、実は、コーヒーの「酸味」には、二種類のモノがあるのです。

その二種類の「酸味」とは、端的にいってしまえば悪い「酸味」と、良い「酸味」になります。
実は、コーヒーの「酸味」に良い印象を持っている人と、悪い印象を持っている人とでは、そもそも、その対象としている「酸味」が全く別物であることが往々にしてあるのですね。

ということで、今回は、その悪い「酸味」と、良い「酸味」について、徹底解説していきます。

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2.コーヒーの悪い「酸味」

コーヒー ドリップ モノクロ

コーヒーの「酸味」に、ネガティブな印象を抱いている方の多くは、ここで説明する悪い「酸味」を指して言っていることが、非常に多いです。
どんな「酸味」かというと、口に含むと、顔をしかめたくなるような、嫌な感じの酸味です。

端的にいうと、この悪い「酸味」は、コーヒー豆が本来持つ酸味ではなく、収穫されてからカップに注がれる間の過程で生まれる「酸味」になります。
では、どんなことがコーヒー豆に起こって、本来あるはずのない悪い「酸味」が生じてしまうのでしょうか?

もしかしたら、あなたが普段飲んでいるコーヒーに、ここで紹介する問題があてはまっていませんか?

2.1 悪い「酸味」は豆の劣化によって生じる

コーヒー豆 モノクロ

結論からいうと、コーヒーの悪い「酸味」は、コーヒー豆の劣化によって生じる場合が、ほとんどになります。
なぜかというと、次の項目で説明する「精製過程で生じる『酸味』」は。あなたの手もとに届くころには、不良豆としてはじかれている可能性が高いからです。

コーヒー豆の劣化による「酸味」は、具体的には、焙煎後の過程、及び抽出後の過程で生じてくることになります。
これらの劣化をまとめて経時劣化といい、時間が経ってしまうことによって、コーヒー豆が本来の風味を失って、「酸味」等の好ましくない味わいを生じます。

ようするに、簡単な話が、野菜や果物、肉、魚をそのまま放置しておくと悪くなってしまうようなものです。
食品を放置しておくと、酸っぱくなったりしてしまいますが、それと同じようなものだと捉えてください。

あなたは、買ってからしばらく経ったコーヒー豆を使って、コーヒーを淹れていませんか?
もしくは、コーヒーを淹れて、時間が経って冷めたコーヒーを飲んで酸っぱさを感じているのではないでしょうか。

2.1.1 【ステイリング】によって生じるコーヒーの「酸味」

コーヒー豆の焙煎後、及び、コーヒー液の抽出から、時間が経って生じる変化の1つに、【ステイリング】という現象があります。
【ステイリング】が起こると、焙煎豆や抽出液の、加水分解反応による酸性化が起こり、「酸味」を生じます。

なぜ「酸味」を生じるかというと、焙煎で生じたクロロゲン酸ラクトンやキナ酸ラクトンは、加水分解されるとクロロゲン酸やキナ酸に戻り、pH値が低下するからです。
すっぱいものの定番としてお酢がありますが、水道水のpH値が7程度であるのに対し、お酢は2~3程度であることからも、pH値が下がると「酸味」を感じやすくなることが分かりますね。

【ステイリング】によって酸性化を生じることによって、コーヒーのpH値が低下し、本来感じないはずの悪い「酸味」が出てきてしまうのです。

2.1.2 【酸敗】によって生じるコーヒーの「酸味」

もう1つ、コーヒー豆の焙煎、抽出後に生じる変化として、【酸敗】という現象が挙げられます。

こちらが、一般に酸化と呼ばれているものになりますが、実は、先ほどのステイリングよりも、緩やかに進行していきます。
ステイリングが、焙煎豆で1~2日、抽出液で数10分単位かけて進むのに対し、【酸敗】は7~8週間かけて進みます。

どういった変化が起こるのかというと、焙煎豆に含まれる油脂、つまり脂肪酸が空気に触れることで酸化し、低級脂肪酸が生成されpH値が低下します。
先ほどもいったように、このようにpH値が低下すると、「酸味」を生じるようになるのです。

このような状態になった焙煎豆は、香りもかなり変わってしまい、油の痛んだ嫌な臭いを発するので、袋を開けただけで分かります。
豆の匂いを嗅いで、何か変だな、嫌なにおいがすると感じたら、悪い「酸味」を生じている可能性が高いので、注意が必要です。

2.2 精製過程で生じる「酸味」

あなたの口に入ることは稀ですが、コーヒー豆の精製過程においても、悪い「酸味」を生じる場合があります。
こういった精製過程で異常発酵して「酸味」を生じたコーヒー豆を【サワー・ビーン】と呼びます。

【サワー・ビーン】などの欠点豆は、出荷時や、焙煎過程において、ハンドピックで除けられることが普通です。
なので、こういった豆が店頭に並ぶことは稀で、あなたの口に入ることはまずない、といえます。

やはり、悪い「酸味」を感じたときは、上で説明したような、コーヒーの焙煎豆や抽出液の、経時劣化によるものと考えていいでしょう。

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3.コーヒーの良い「酸味」

コーヒー 喫茶店

コーヒーの「酸味」は美味しい、こういった方が指しているコーヒーの「酸味」は、良い「酸味」であるといって間違いないです。
この良い「酸味」は、上で説明した経時劣化や、精製過程で生じる後天的な「酸味」ではなく、コーヒーが本来持つ「酸味」です。

このコーヒーが本来持つ酸味は、適度な「酸味」で、コーヒーに爽やかな風味を与え、すっきりした味わいに整えます。
コーヒー豆が本来持っている味わいの一つになるので、オレンジやストロベリーのような果実の「酸味」に近いものが感じられます。

なので、もちろん好き嫌いはありますが、基本的に嫌な感じの酸味ではなく、ポジティブな印象を受けることが多いです。
ここでは、そんなコーヒーが本来持つ、良い「酸味」について詳しく掘り下げていきます。

あなたの好きなコーヒーは、どんな「酸味」を持つコーヒーか、ぜひ見つけてみてください。

3.1 良い「酸味」は果実のフレーバー

コーヒー フルーツ

コーヒーの良い「酸味」は、舌の上に乗っかるような、ほのかな甘みを伴った、ジューシーな果実感のある酸味になります。
なぜなら、上で説明したように、コーヒーの良い「酸味」というのは、コーヒーという植物が持っている本来の味わいだからです。

オレンジやストロベリーが、元々の味わいとして「酸味」を持っているように、コーヒーも元々は「酸味」を持った植物なのです。
例えば、高級豆の一角として数えられる「パナマ・エスメラルダ・ゲイシャ」は、柑橘系の「酸味」を持つと例えられたりします。

コーヒーにおける品質の基準としても、コーヒーの本来持つ「酸味」は重要な条件になっていたりします。
コーヒーのグレードで、一般的に最高品質といわれるスペシャリティーコーヒーを格付けするものとして、「爽やかな明るい酸味特性があること」が基準になっているくらいです。

つまり、良い「酸味」というのは、コーヒーの味わいを特徴づける上で、重要なファクターになっているといえます。
では、コーヒーの「酸味」がどのように特徴づけられているのか、フレーバーの表現方法を紹介していきます。

3.2 「酸味」を表す表現方法

コーヒー本来の「酸味」とはいっても、どういった味わいなのか、実際よく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、コーヒーの「酸味」をイメージしやすくするのが、以下のようなフレーバー表になります。

○フルーツを思わせる風味

・柑橘系

レモン
グレープフルーツ
オレンジ
・ベリー系

ラズベリー
ブルーベリー
ブラックベリー
・トロピカルフルーツ系

キウイ
マンゴー
バナナ
パッションフルーツ
パイナップル
パパイヤ
・リンゴ系

リンゴ
青りんご


(参考:Amazon 珈琲完全バイブル

スペシャリティーコーヒーなどを専門に扱っているコーヒー豆屋さんでは、これらの表現が示されていることが多いです。
例えば、こちらの画像のNOZY COFFEEさんの豆のパッケージをご覧ください。

nozy coffee

CUP COMMENT:のところに、appleと表記があるのがわかりますか?
このように、コーヒーの「酸味」を表すのには、フルーツの味わいが用いられ、イメージがしやすくなっています。

もちろん、誰もがこの表記のように感じられるかといえば、そうではないので、リンゴが感じられなくても問題ありません。
ただ、中には、このフレーバーがはっきり出ているものもあり、本当にフルーツの味わいがそのまま感じられるものもあります。

https://www.instagram.com/p/BqjY_M7Bdqy/?igshid=1u7axgeir5j9l

僕が飲んだ中で、一番はっきりとわかったのが、スターバックスのリザーブ店限定で飲めた、コロンビアペドレガルという豆です。
一口含んだ瞬間に、はっきりとリンゴの「酸味」が感じられ、リンゴの果汁を絞って入れたのではないかというくらいの衝撃を受けたコーヒーでした。

「酸味」が苦手という方には、ぜひ、コーヒーの良い「酸味」を感じられるコーヒーを一度飲んで頂きたいです。
今までのネガティブな「酸味」からは想像できない、コーヒーの「酸味」の世界が、そこには広がっています。

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4.コーヒーの良い「酸味」楽しむには?

コーヒー 注ぐ

コーヒーの良い「酸味」を味わえば、コーヒーの「酸味」にネガティブなイメージがなくなる。
とはいっても、その良い「酸味」に出会えないから、ネガティブなイメージを持っているのだという方もいらっしゃいますよね?

ということで、ここでは、コーヒーの良い「酸味」を楽しむために、気を付けたいことをご紹介していきます。
結論からいうと、良い「酸味」を持つコーヒーを選び、保存方法に気を付け、淹れ方を工夫することが大切です。

そもそも良い「酸味」を持っているコーヒーでないと、いくら保存方法に気を付け、淹れ方を工夫しても、無い袖は振れないので、良い「酸味」を引き出すことはできません。
また、いくら良い「酸味」を持っているコーヒーでも、保存方法を間違えれば、悪い「酸味」を生じてしまうことになります。

寿司屋が、採れたて新鮮な魚を、適切な方法で港から仕入れ鮮度を保ちつつ、腕利きの板前が握るのと同じです。
これらが三位一体となって、初めて、コーヒー豆の本来の良い「酸味」を味わうことができるのです。

4.1 良い「酸味」を持つコーヒーの選び方

コーヒー お店

良い「酸味」を持つコーヒーの選び方のポイントは、大きく分けて3つあります。
まず一つ目が、品質の良いコーヒー豆を選ぶということで、具体的にはスペシャリティーコーヒーがベストです。

スペシャリティーコーヒーは、高いクオリティを持ち、個性的な風味を有していることが前提となるので、品質が担保されます。
スペシャルティコーヒー専門店も、日本全国に広がりつつあるので、お住いの地域で探してみると良いでしょう。

次に、コーヒー豆の種類は、基本的にアフリカエリア(例えば、エチオピアやケニアが有名)で生産されたものを選ぶのがいいでしょう。
なぜなら、アフリカエリアのコーヒー豆は、「酸味」に特徴のある豆が多い傾向があるからです。

例えば、モカなどで有名なエチオピアの豆は、華やかな酸味があり、香りも良いので、非常におすすめです。

最後に、焙煎度も、良い「酸味」を楽しむためには、重要な要素になってきますが、基本的には、浅煎りの豆を選ぶと良いでしょう。
焙煎度合いが深くなればなるほど、焙煎由来の苦みの味わいが優勢になるので、「酸味」の味わいは影を潜めてしまいます。

エスプレッソ用の、イタリアンローストといわれる極深煎りの豆がいい例で、エスプレッソを飲んでも全く酸味は感じませんよね(※上で説明した悪い「酸味」を除く)。
まとめると、スペシャリティーグレードの、アフリカ産の豆を、浅煎りで頂くのが、コーヒーの良い「酸味」を味わうための、コーヒーの選び方になります。

4.2 良い「酸味」を長く保つコーヒーの保存方法

コーヒー 保存

良い「酸味」を楽しむためには、コーヒー豆を良い状態で保つとともに、悪い「酸味」が出るのを防ぐ必要があります。
つまり、まずは上で説明したステイリングと、酸敗を、防ぐ必要があるということです。

良い「酸味」を長く保つために、保存方法で一番重要なのは気密状態を保つことになります。
吸水を防ぐことでステイリングが起こるのを避け、空気を遮断することで酸敗からコーヒー豆を守ります。

具体的には、ビンや缶、プラスティック容器などを使用し、フタなどで栓をして、外界との空気や液体の出入りが完全に起こらないようにしましょう。
また、粉に挽いてしまわず、豆のままで保存することも非常に重要になります。

なぜなら、粉に挽いてしまうと、豆の表面積が増えるので、外気に晒されやすくなってしまい、結果として酸敗の速度が上がるからです。
コーヒー豆を買って、家で楽しむ場合は、豆の状態で買い、気密容器に入れて、直射日光の当たらない、冷暗所で保管しましょう。

4.3 良い「酸味」を引き出すコーヒーの淹れ方

コーヒー 淹れ方

端的にいうと、細めに挽いて、高温のお湯で、短時間で抽出するのが、良い「酸味」を引き出す淹れ方になります。
これは、東京の吉祥寺と下北沢、そして京都に店舗を構える浅煎りコーヒー専門店のLight Up Coffeeが推奨している淹れ方になります。

具体的には、こちらの入れ方ガイド要領に沿った形で淹れていきます。


豆:15g
挽き目:中細挽き
湯:92℃
抽出量:220ml
時間:2分


実際にLight Up Coffeeのコーヒーの淹れ方セミナーにも参加して、お店の方にお話も伺いました。
ここでは、豆15gに対して220ml抽出すると書きましたが、実際は豆:抽出量=1:15~16に合わせて頂ければ大丈夫です。

また、挽き目を細くし、湯の温度を高くしてやるのは、浅煎りの場合深煎りに比べて、味が抽出されにくいからです。
当然ですが、豆のままでは味が出ないから細かく挽くのであり、水のままではコーヒーの成分を抽出できないから、お湯を沸かすのですよね。

浅煎り豆は、より生の状態に近いので、その味わいをしっかり出すために、挽き目を細かくし、温度を高くしてあげてください。

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まとめ:コーヒーの良い「酸味」を体験してみよう

記事のポイントをまとめます。


1.コーヒーの「酸味」とは?コーヒーの酸味は実は2種類
2.コーヒーの悪い「酸味」
2.1 悪い「酸味」は豆の劣化によって生じる
2.2 精製過程で生じる「酸味」
3.コーヒーの良い「酸味」
3.1 良い「酸味」は果実のフレーバー
3.2 「酸味」を表す表現方法
4.コーヒーの良い「酸味」楽しむには?
4.1 良い「酸味」を持つコーヒーの選び方
4.2 良い「酸味」を長く保つコーヒーの保存方法
4.3 良い「酸味」を引き出すコーヒーの淹れ方


今回は、コーヒーの2種類の酸味を紹介し、良い酸味を楽しむにはどうしたらいいかを解説しました。
あなたが今まで飲んでいたコーヒーの「酸味」は、悪い「酸味」だったでしょうか?良い「酸味」だったでしょうか?

もし、悪い「酸味」だったかも……と思われたのであれば、こちらの記事を参考にして、良い「酸味」を一度体験してみてください。
コーヒーの新たな楽しみが増え、今まで以上に、普段のコーヒーが楽しくなりますよ。

何を隠そう、僕自身、コーヒーにのめり込んだきっかけとなる一杯が、浅煎りのエチオピアでしたから間違いありません。
コーヒーの本当の「酸味」を知って、コーヒーの沼にハマってみませんか?

参考文献:

Amazon 珈琲完全バイブル

Amazon コーヒーの科学

Amazon 田口護の珈琲大全

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