【朝コーヒー】メリット・デメリットと健康への影響は?
コーヒーを朝食時や、出勤前に習慣的に飲んでいる人も多いですよね。しかし、朝にコーヒーを飲むことは健康によいのか、またどのようなメリット・デメリットがあるのか気になるという人も多いでしょう。
朝、コーヒーを飲むことでカフェインによる覚醒作用や脂肪燃焼効果が期待できます。その一方で、目覚めやすいようにしてくれるコルチゾールの働きを抑制したり、下痢の原因になったりします。
しかしこのようなデメリットは起床後、しばらく時間の経過した、朝9~11時ごろにコーヒーを飲むようにすることで抑えることが可能です。
この記事では、朝コーヒーを飲むことによるメリット・デメリットを解説します。
またこれに加えて、デメリットを抑えながらメリットを享受できるようにする方法も紹介します。朝にコーヒーを飲むことについて知識を深め、より効果的に朝コーヒーを楽しみましょう。
目次
朝コーヒーのメリット
朝にコーヒーを飲むメリットとして、カフェインによる覚醒作用を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。モーニングコーヒーの広告も多く、そのようなイメージを持っている人も多いかもしれませんね。
実際、朝にコーヒーを飲むことは、脂肪燃焼効果やリラックス効果があります。なぜこのような効果があるのか、効果が発生する理由について解説していきます。
あなたが朝コーヒーを飲むときに感じることと、比較してみてくださいね。
カフェインによる覚醒作用
コーヒーに含まれる成分として、もっとも有名なのはカフェインではないでしょうか。
カフェインが血行をよくしてくれるため、朝が苦手な低血圧の人でも体を動かしやすくなるのです。また、高血圧の人には、血流をよくすることによって血圧を下げるという嬉しい効果があります。
ほかにも、カフェインはアルカロイドという化合物の仲間で、覚醒作用や解熱鎮痛作用があります。眠気、倦怠感、頭痛に効果がある医薬品にも使用されている成分です。
医薬品で使用されるほど、カフェインの覚醒効果は確かなものなんですね。
脂肪の燃焼効果
コーヒーに含まれる香り成分や苦味物質などの作用で交感神経が優位になり、脂肪燃焼率が高まるとされています。
東京慈恵会医科大学鈴木教授らの研究で、運動前にブラックコーヒーを飲むことで、脂肪をより多く燃焼できるという結果が得られました(注1)。運動する1時間前にコーヒーを飲むのがよいとされています。
ほかにも、朝にコーヒーを飲むと、ダイエットによいと聞いたことがある人もいるかもしれません。
1日の食事を8時間以内に行い、残りの16時間は断食するという8時間ダイエットというものがあります。8時間ダイエット中、脂肪燃焼を促す飲み物としてコーヒーを取り入れている人もいるようです。
また、朝、コーヒーを飲むことにより太るとも言われています。太ると言われている原因は、以下の2つです。
- 利尿作用のあるカフェインの過剰摂取によって、体内にナトリウムだけが残ってしまい、むくんでしまう原因となる
- 砂糖やミルク、牛乳入りのコーヒーを飲むことで、血糖値が上がり、インスリンが大量に分泌されることにより脂肪として蓄積しやすくなっている
コーヒーの飲みすぎや、甘いコーヒーを飲むことが原因となっています。
1日のカフェイン摂取量の目安は、400mg程度と言われています(注2)。100mlのコーヒーに含まれるカフェイン量が約60mgですので、それを基準に考えると、6杯くらいが適正です。
ただし、コーヒーカップ(約140ml)で考えると、カフェインの含有量は約84gです。その場合、4杯程度が適正量となります。
カフェインの摂取量を守り、あまり砂糖やミルクを入れすぎないようにしましょう。正しくコーヒーを飲めば、脂肪の燃焼を助けてくれますよ。
リラックス効果
コーヒーを飲むとリラックスできると感じたことがある人も多いかと思います。杏林大学古賀良彦教授らが、コーヒーの香りが人の脳機能に影響を与えることを報告しています(注3)。
教授の研究によると、豆の種類によっては「リラックスさせる香り」と「頭の回転を速くさせてくれる香り」があるとのことです。リラックスしたいとき、集中力を高めたいときなど、目的によって使い分けることができそうです。
研究では、ブルーマウンテンやグァテマラがリラックス効果が高く、ブラジルサントスやマンデリンは情報処理速度が高まるという結果が出ていました(注3)。
朝コーヒーのデメリット
メリットもある一方で、朝、コーヒーを飲むとデメリットがあることをご存知でしょうか。朝にコーヒーを飲むことが定番となっているため、デメリットがあること自体に驚いたという人もいるかもしれません。
デメリットは体調など個人差によるものが多い上、飲む時間帯や量を調整することで抑えることが可能です。
デメリットについて詳しく知ることで、コーヒーと上手に付き合うことができますよ。
コルチゾールの働きを抑える
コルチゾールとはストレスに反応して分泌される、ホルモンの一種で、血糖値や血圧を上げて、体を目覚めさせる作用があります。
コルチゾールの分泌量は起床した時間に関わらず、起床直前から起床して1時間後にとく多く分泌されると言われています。コルチゾールの分泌量が増やすことにより、体内にある糖分をエネルギーとして使えるようにしているのです。
一方で、カフェインにも覚醒作用があるので、コルチゾールが多く分泌される朝の時間帯に摂取すると、コルチゾールの体を目覚めさせる作用を相殺することになります。
つまり、カフェインがコルチゾールの働きを抑える結果になってしまうのです。
それにより、あまり覚醒した感覚が得られず「もう一杯コーヒーを飲もう」と思い、飲む量を増やすとカフェイン中毒につながる恐れがあるのです。
コルチゾールの働きを邪魔せずに、カフェインの効果を得るためには、コルチゾールの分泌が減り始める朝9~11時ごろにコーヒーを飲みましょう。タイミングに気をつけてコーヒーを飲みましょう。
下痢や腹痛の原因になる
コーヒーを飲むと、下痢になってしまうことがあります。考えられる原因は、4つあります。
カフェインの影響
朝はコーヒーだけで朝食を済ませてしまう、という人もいるかもしれません。カフェインは交感神経を刺激し、体を覚醒させます。
しかし、カフェインの過剰摂取により、交感神経が活性化すると、胃腸の活動が乱れてしまうことがあります。
そして、胃腸の活動が乱れると、腸で十分な水分吸収が行われず、結果、下痢になってしまうのです。
また、胃酸の分泌が増えることが原因で胃痛になることがあります。
クロロゲン酸の影響
クロロゲン酸は、コーヒーに含まれるポリフェノールの一つです。クロロゲン酸には、胃酸の分泌を促進させる働きがあります。
朝や、空腹時は胃が空っぽの状態です。空っぽの状態で胃酸が大量に分泌されることで、胃痛を引き起こしてしまいます。
起き抜けにいきなりコーヒーを飲むのではなく、少し食べ物を食べたあとのほうが胃への負担は減らせそうですね。
ミルクの影響
コーヒーに牛乳やコーヒー用のミルクをいれる人も多いかと思います。その牛乳が原因で下痢になることがあります。また、ミルクに含まれる乳化剤や香料などの合成添加物が体に合わず、下痢になることがあります。
いつもコーヒーに牛乳やミルクを入れていて下痢になる場合は、一旦ブラックで飲んでみるとよいかもしれません。
コーヒーアレルギーの可能性
アレルギーと聞くと、花粉症のようなくしゃみや、じんましんを思い浮かべますよね。実は、腹痛もアレルギーの一種です。
コーヒーを飲むといつも体調が悪くなる場合は、コーヒーアレルギーの可能性があります。
過剰摂取は体調不良を招く
カフェインの過剰摂取は、以下のような健康被害をもたらすことが知られています。
- 中枢神経系の刺激によるめまい
- 心拍数の増加
- 興奮
- 不安
- 震え
- 不眠症
- 下痢
- 吐き気
出典:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~|厚生労働省
とくに、エナジードリンクにはカフェインが多く含まれています。エナジードリンクを飲んだときは、コーヒーの飲む量に気を付けてくださいね。
健康な成人のカフェイン摂取目安量は、1日400mgと言われています(注3)。コーヒー100mlあたりのカフェイン含有量は約60mgですので、ほかの飲み物のカフェイン含有量と合わせて飲む量を調整しましょう。
血糖値が上がる
コーヒーを飲むと血糖値が上がると言われています。なぜなら、カフェインはインスリン抵抗性をもっているからです。インスリンは、血糖値の上昇に作用する物質ですので、インスリンが効きにくくなると、血糖値が上がりやすくなってしまいます。
睡眠不足や食後の場合、血糖値を上げる作用が高くなります。血糖値を管理している人は、コーヒーを飲むタイミングに注意が必要しましょう。
とくに、健康診断がある日、朝の飲み物としてコーヒーを飲むときには注意が必要です。健康診断で血液検査がある場合は、血糖値に影響を与える可能性があるので避けるのがおすすめです。
朝コーヒーの健康的な飲み方
朝にコーヒーを飲むことのデメリットは、飲み方を工夫すると改善する場合があります。起床直後を避け、9時~11時の間に飲むと軽減されますよ。
また、デメリットはカフェインによって引き起こされるものがほとんどなので、カフェインレスコーヒーを飲んでもいいですね。
それでもデメリットが心配な場合には、飲み物を変えるという選択肢があります。
ご自身の体調や気分によって使い分けるのもいいかもしれません。いろいろ試して、ご自身に合った方法を見つけてくださいね。
ここからは、朝に健康的にコーヒーを飲むために知っておきたい4つのポイントをお伝えしていきます。
朝コーヒーは起床直後や朝食と一緒はNG
起床直後にコーヒーを飲むと、コルチゾールの働きが抑制されるためよくないとされています。コルチゾールは、体を目覚めさせるために必要なホルモンだからです。
また、朝食と一緒に飲むのあまりよくないとされています。コーヒーに含まれているタンニンが、鉄分やカルシウムの吸収を阻害してしまうからです。タンニンによって鉄分の吸収が阻害されると、貧血を起こす原因となります。
朝食の際は白湯や、カフェインが少ない麦茶やルイボスティーがおすすめです。
朝コーヒーのおすすめ時間は9~11時
コルチゾールが多く分泌される時間は、起床直前から起床して1時間後にとくに多く分泌されると言われています。コルチゾールが多く分泌されている時間コーヒーを飲むと、コルチゾールと、カフェインの覚醒効果が相殺され、目が覚めにくくなってしまいます。
朝コーヒーを飲むならコルチゾールがもっとも多く分泌される時間を避けた、朝9時から11時に飲むとよいでしょう。
カフェインレスコーヒーを選ぶのもアリ
どうしても朝にコーヒーが飲みたいけど、カフェインの影響が心配という人にはカフェインレスコーヒーがおすすめです。
最近のカフェインレスコーヒーは、普通のコーヒーと変わらない味わいのあるコーヒーが多く販売されています。
カフェインレスコーヒーは一般的なコーヒーよりも、苦味が強くなっています。コーヒーの苦味が好きだけどカフェインレスコーヒーを飲んだことがない人には、ぜひ試していただきたいです。
本メディア運営者が経営するカフェ・COWRITE COFFEEではカフェインレスコーヒーを取り扱っています。「カフェインレスコーヒーはおいしくない」と感じている人にこそ、ぜひ飲んでいただきたい一品です。
豆・粉・ドリップバックから選ぶことができますので、お好みにあわせて活用することができますよ。
ぜひ、下記ページを御覧ください。
\ カフェインレスコーヒーを試してみる! /
心配ならコーヒー以外の飲みものを選ぶ
コーヒー以外の飲み物を飲む選択肢もあります。朝起きたばかりの状態は水分が不足している状態なので、白湯がおすすめです。
また、リラックス効果が期待できる緑茶、栄養補給ができる牛乳や豆乳もおすすめです。気分や目的によって選ぶのもよいですね。
要点をつかんで朝コーヒーを楽しもう
朝専用コーヒーが商品として販売されているほど、朝、コーヒーを飲むことは定番となっています。
朝にコーヒー飲むことにはメリットとデメリットがあり、知っておく必要があります。改めて確認しましょう。
- カフェインによる覚醒作用
- 脂肪の燃焼効果
- リラックス効果
- コルチゾールの働きを抑える
- 下痢や腹痛の原因になる
- 過剰摂取は体調不良を招く
- 血糖値が上がる
デメリットは、飲み方を工夫することで抑えることができることがあります。正しくコーヒーを飲むことで得られるメリットも大きいため、朝、コーヒーを飲むことはおすすめですよ。
朝においしいコーヒーを楽しむために、コーヒーを淹れるときのポイントをお伝えします。
- コーヒーは新鮮なもの使用する
- 水は汲みたての新しいものを沸かす
- 抽出器具やカップは清潔なものを使用し、あらかじめ温めておく
- コーヒーは抽出器具に合わせて挽いたものを使用する
- コーヒーと水の量は、パッケージなどの解説に従い、適正な分量を使用する
- 抽出時間や抽出温度を守る
また、下記記事でも忙しい朝におすすめのコーヒーの入れ方を紹介していますので、よかったら読んでみてください。
あなたも生活にうまくコーヒーを取り入れて、朝の至福のひとときを楽しんでみませんか。コーヒーを活用すれば、きっと素敵な一日のスタートを切ることができますよ。
出典:
注1 コーヒーと運動の関係を読み解く。|全日本コーヒー協会
注2 カフェインの過剰摂取について|農林水産省
注3 香りから生まれる、 「癒し」と「集中力」。|全日本コーヒー協会
編集:有川
【水引作家 / Webライター / 5歳児ママ】
スターバックスでアルバイトをし始めた友人にコーヒーの素晴らしさを日々聞かされた学生時代。一緒にスターバックスに行く機会が増えて、それ以来すっかりコーヒーの虜に。毎朝のコーヒータイムは至福の時間であり、欠かせない存在です。