【みんなで作る、珈琲屋vol.3】「支え、支えられ、ヨイ関係を」ヨイマメ珈琲さん
今回は滋賀県栗東市で「ヨイマメ珈琲」を営んでいる「石上健一さん」にインタビューしました。
石上さんは豆の販売を元に、生産者と飲む人の顔を見て仕事がしたいと考え、アジア、とくにミャンマーの支援活動を行っています。
「生産者やコーヒーを飲む人に支えられている」と語るヨイマメ珈琲さんに活動の内容を伺いました。
インタビューの様子はこちら!
略歴
2008年 妻の実家が珈琲ショップを営んでいたことがきっかけで焙煎に興味を持ち、義父に焙煎を教わる。
2012年 「ヨイマメ珈琲」を、しがオーガニックマーケットに出店。「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」という近江商人の心得から、どの目線でもよい物を提供したいと考え「ヨイマメ珈琲」に。
2016年 マーケットで沢山の出店者さんや農家さんと知り合い、顔の見える商売の素晴らしさを感じる。自分がコーヒーを扱っているにも関わらず、生産国や農家さん、コーヒーノキを知らないことに違和感を覚える。
2016年〜 コーヒーの生産国で農家さんに会い、いろいろな話をしたいと考え、たくさんの農家をまわる。
2018年 「認定NPO法人地球市民の会」さんの紹介で、ミャンマー珈琲プロジェクトに参加。コーヒーの産地に行き、自分の無力さを痛感…それでも何かをしたいと、いろいろな場所でミャンマーコーヒーやミャンマーの村人の素晴らしさを伝える活動を始める。コーヒーは表現の一つだと感じ、コーヒーを通してできることを考える。
2020年 コロナが流行りミャンマーに行けなくなる。
2021年〜 現在は滋賀県栗東市の「おもや」に通っている人達(障害福祉施設)と「月曜日のよりみち」を第二、第四月曜日に開催。コーヒー豆のピッキングやコーヒーのドリップ、焼き菓子や野菜の販売など利用する人達が表現(チャレンジ)できる場所作りを。
目次
ミャンマーのコーヒー支援をしているヨイマメ珈琲さん
北野:はじめに自己紹介をお願いします
石上:滋賀県栗東市で「ヨイマメ珈琲」という焙煎所を営んでいる「石上健一」です。よろしくお願いします。
15年ほど前からコーヒー豆の焙煎を始め、2018年からミャンマーのコーヒー農園を支援しています。
売るだけじゃない!生産者と飲む人をつなぐロースターになりたい
焙煎をはじめたきっかけは妻
北野:焙煎をはじめるようになったきっかけやタイミングはありますか。
石上:きっかけはすごく安易なんです(笑)。妻の実家が京都で喫茶店をしていて、そこを継ぐという話になりました。
けれど結婚した、じゃあ継ぎますというのも嫌だなと思いまして、はじめは独学で焙煎の勉強をしていましたが、独学ではダメだと焙煎セミナーに参加しました。
それから、しがオーガニックマーケットへ出店するようになりました。それが約10年前です。
しがオーガニックマーケットに出店されているお店の人が、農家さんとつながりをもっているのを見て、僕もコーヒーの産地を知らない、コーヒーノキを見たこともないではダメだと。
ロースターとしてもう少しコーヒーについて話せるようになりたいと思ったのが、ミャンマーのコーヒー農家支援をはじめたきっかけです。
ミャンマー支援のためにコーヒーの販売を
ヨイマメ珈琲が行っているミャンマーでの活動
北野:現在行っているミャンマーでの活動について、伺えたらと思います。
石上:ミャンマーでの活動は2018年にチン州というところで、コーヒーノキやマカダミアナッツ、こんにゃく芋などを植えるプロジェクトがあり、そのコーヒー部門で参加させていただきました。
2018年と2020年に参加させていただいたのですが、コロナの影響でここ2年は現地に入れずにいます。僕たちを案内してくれたNPOは今でも現地で活動しています。
いまはミャンマーコーヒーに寄付金を付けて販売し、その売り上げをNPOに寄附するかたちでミャンマーの支援をしています。
コーヒー農家の豆に込めた想いや状況を伝えられる【珈琲屋】になりたい
今後の夢について
北野:今後行っていきたいことや夢について、教えてください。
石上:2018年からコーヒーを通じてミャンマーを支援しているなかで、とある生豆屋さんと知り合いになり、今は週の半分そこで働いています。
その生豆屋さんで、コーヒー農家さんが「よい物を作ろう、自分の村をよくしよう」と想いを込めながらコーヒー豆を作っていることを知りました。
そのような想いを知りヨイマメ珈琲の活動として、コーヒー豆は味のよさも重要ですが「よい豆」というのは農家さんの想いや、生産者の置かれた状況を知ってもらえるようなコーヒーにしたいと思ってます。
また自分でも農家さんのところに行って、直接声を聴き、取り引きしながら彼らにもメリットのあるコーヒー屋になりたいなと思っています。
アジアの豆もおいしいので、ぜひ飲んでみてほしい
さいごに
いま、コーヒーといえばエチオピアをはじめとした香りや味のよい豆が注目されていますが、僕たちが活動しているアジアのコーヒー豆もすごくよくなってきています。
そういったアジアの豆も一度飲んでいただけると、ありがたいです。
妻の「おいしいね」が聞きたくて。きっかけは結婚式の引き出物。そこで頂いたドリップバッグの香りに魅せられてコーヒーの道へ。お小遣いの範囲で楽しめるのがコーヒー、少しずつ道具を揃えて毎朝妻と私の分をドリップしています。寝ぼけ眼で「いい匂い、今日もおいしいね」コーヒーの香りと一緒に幸せが広がります。妻のおいしいねが聞きたくて、今日も豆を挽いています。